Dr.コラム

2018.04.01

【消化器内科】逆流性食道炎・バレット食道について

    • 逆流性食道炎について

    • ・胸やけ
    • ・酸っぱいものが上がる(呑酸)
    • ・苦い水が上がる
    • ・げっぷ
    • ・みぞおちの違和感や痛み
    • ・お腹の張り
    • ・胸の違和感
    • ・喉や口の中の違和感
    • ・喉のつかえ感
    • ・ものが飲み込みにくい


    こんな症状はありませんか?

     

    こんな症状にあてはまる方は『逆流性食道炎』という病気の可能性があります。

    近年、食生活の欧米化や高齢化などにより、逆流性食道炎の患者さんが確実に増えてきています。

     

    通常われわれの身体では、食べ物を胃にまで導く食道と胃との接合部(噴門部)には食道下部括約筋という筋肉があり、安静にしている時にはある一定の力で閉じることにより、胃酸や胃の内容物が食道側に逆流するのを防いでいます。しかし加齢や食生活、姿勢などの要因によりこの部分のしまりが悪くなる『食道裂孔ヘルニア』という変化が起きることにより、胃酸の食道側への逆流により食道が炎症を起こす『逆流性食道炎』、また炎症自体がみられなくても胃酸の逆流による自覚症状があらわれる『胃食道逆流症』といった病態が起こることがあります。

     

    逆流性食道炎は、脂っこいものを多く食べる方、肥満のある方、ストレスの多い方、猫背や腰の曲がりなどの姿勢に問題のある方に多い病気です。

    通常は、逆流してきた胃酸や胃の内容物を胃側へ押し戻そうとする蠕動(ぜんどう)運動という働きがありますが、その働きが低下することも逆流性食道炎が起こる原因の一つといわれています。逆流性食道炎の診断は、主に問診と内視鏡検査によって行われます。逆流性食道炎では、冒頭に挙げたように、胸やけの他にも、胸の違和感や喉のつかえ感、または慢性的な咳といった消化器系の症状とは考えられない様な症状をも含む多彩な自覚症状があります。

     

    内視鏡検査は、食道裂孔ヘルニアの有無や程度、食道にどの程度の炎症があるのかを確認することの他に、食道がんや胃がん等の悪性疾患でないことを確認する目的で行います。

     

    逆流性食道炎の治療の基本は生活習慣の改善と薬物治療です。脂肪分やタンパク質の摂りすぎのほか、甘いもの、香辛料を多く含む刺激の強いもの、酸味の強い果物なども胸焼け症状を悪化させる可能性がありますので摂りすぎには注意が必要です。また早食いをしないように注意し、一度に摂る食事量についても腹八分目の適量を心がける必要があります。コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは胃酸の分泌を増やすといわれ、またアルコールは胃酸の分泌を増やすだけでなく、噴門部の筋肉をゆるめる作用があり、摂りすぎは症状の悪化につながりやすいといわれています。また、食べた後すぐに横になると物理的に胃の中身の多くが逆流してしまうため、食事から就寝まではある程度の時間をあける必要があります。

     

    以上の様な食生活の改善とともに、適度な運動による肥満の解消、背筋を伸ばした姿勢を心がけることが望まれます。しかし、生活習慣の改善だけでは症状を完全になくすのは難しく、多くの方で生活習慣の改善とあわせて薬物治療が必要となります。薬物治療は胃酸の分泌を抑える薬や、消化管の運動を促進させる薬を使用します。

     

    薬物治療を始めると多くの方では速やかに症状は軽減しますが、症状がなくなっても食道の炎症はすぐに治るわけではありませんので、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。また薬剤は胃から食道への逆流を根本から治すわけではないため、症状がなくなった後に服薬をやめると多くの方に再発がみられます。そうした方には薬を常用することで再発を防ぐ維持療法が必要です。食道の炎症の程度が軽く、また胸やけなどの症状もごくまれにしか起こらないような方には、症状がある時だけ服薬する治療が行われることもあります。

    • アクセス正常な食道胃接合部

    • アクセス逆流性食道炎のある食道胃接合部

    バレット食道について

    近年増加傾向にある逆流性食道炎と非常に関連が深い『バレット食道』という病気をご存知でしょうか。

    胃酸を含む胃内容物が食道に逆流すると逆流性食道炎になり、食道の粘膜に「びらん」という粘膜のただれや、「潰瘍」という粘膜の傷が深くえぐれた様な病変が発生します。その治癒・修復の過程で、食道の粘膜が本来の扁平上皮ではなく円柱上皮に置き換わった状態を『バレット食道』と呼びます。バレット食道自体は生命に直接関わるような病気ではありませんが、食道がん(バレット食道がん;食道腺がん)の発生母地となる可能性がある病変です。バレット食道の患者さんでは、逆流性食道炎と同じように胸やけや呑酸(酸っぱいものが上がる)などの症状がみられることもありますが、無症状の方も少なくありません。

     

    欧米では逆流性食道炎の増加に引き続いて、バレット食道、バレット食道がんも著明に増加してきているとの報告があります。日本でも食生活の欧米化などにより逆流性食道炎が増加していますが、今後バレット食道も同じように増加していくことが懸念されています。

     

    バレット食道は大きく2種類に分けられ、食道の全周に3cm以上の長い範囲にバレット食道のあるものをLSBE(Long Segment Barrett’s Esophagus)、バレット食道の一部が3cm未満と短い範囲にしかないか、あるいは全周にないものをSSBE(Short Segment Barrett’s Esophagus)といいます。日本ではLSBEよりSSBEの頻度が高く、SSBEに比べてLSBEでは、より発がんのリスクが高いと考えられています。

     

    バレット食道そのものに対する治療は現時点では有効なものがなく、随伴する逆流性食道炎の治療が中心となります。また、バレット食道からの発がんを抑制する有効な方法も現時点ではありません。バレット食道がんの早期発見のためには、特に胸やけなどの逆流性食道炎の症状のある方はまず内視鏡検査を受けて頂くこと、内視鏡検査でバレット食道を診断すること、そしてバレット食道と診断された場合には定期的に内視鏡検査を受けることが大切です。

    • アクセスSSBE(Short Segment Barrett’s Esophagus)

    • アクセスLSBE(Long Segment Barrett’s Esophagus)

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